鎌倉市

鎌倉「海蔵寺」|水と花の言い伝えが息づく歴史ある美しいお寺

海蔵寺(かいぞうじ)

「海蔵寺(かいぞうじ)」は、鎌倉駅から徒歩約20分、緑豊かな環境に佇む臨済宗建長寺派の歴史あるお寺です。鎌倉の観光地から少し離れており、落ち着いた雰囲気が魅力。
この記事では、海蔵寺のアクセス方法、駐車場情報、そして見どころについて詳しくご紹介します。自然に囲まれた静寂の中で、心を癒すひとときをお楽しみください。

 

海蔵寺とは?

海蔵寺は、鎌倉駅から徒歩約20分の位置にある、静寂に包まれた美しいお寺です。観光地として有名な鎌倉でも、このお寺は観光客で賑わうエリアから少し離れた奥まった場所にあり、訪れる人々に穏やかな時間を提供します。
境内は広くはないものの、四季折々の花が咲き誇り、「花の寺」として知られています。春には桜やツツジ、夏には紫陽花、秋には紅葉、そして冬には椿が見頃です。訪れる度に異なる花々の表情を楽しめるため、リピーターも多いお寺です。
また、海蔵寺は「水の寺」としても有名で、鎌倉時代の遺跡である「十六の井」や「底抜けの井」が残されています。特に「十六の井」は、16個の井戸が一列に並び、不思議な雰囲気を醸し出しています。この水の遺跡は、古の時代から地域の人々の生活に密接に関わってきた重要な場所です。境内を歩きながら、これらの歴史的遺産をぜひご覧ください。

海蔵寺訪問レポート|鎌倉の静かな名刹「海蔵寺」の魅力を体験

海蔵寺の入り口

海蔵寺の入り口
海蔵寺は、鎌倉時代に七堂伽藍が焼失した後、1394年に足利氏満の命により再建された歴史あるお寺です。再建の際には、上杉氏定が臨済宗の僧侶・心昭空外を招き、鎌倉の地に再びその姿を取り戻しました。この歴史的な背景は、寺院の静けさや重厚感を一層引き立てています。
海蔵寺の入り口は、四季折々の美しい自然に包まれた静寂の空間です。門をくぐると、歴史と自然が共存する落ち着いた雰囲気が広がり、まるで時間が止まったかのように感じられます。

海蔵寺訪問した日は平日でしたが、3組もの新郎新婦が結婚式の前撮りを行っていました。それだけ、海蔵寺の落ち着いた美しい雰囲気が、人々を引き寄せているのかもしれません。
特に紅葉の季節には、色鮮やかな自然に包まれた風景が新郎新婦の撮影を一層華やかに演出します

まずは本堂にお参り

本堂本堂には、海蔵寺の開祖である心昭空外の坐像が安置されており、訪れる人々を静かに見守っています。厳かな空気に包まれたこの空間では、心を静めて手を合わせ、心昭空外の教えに想いを馳せることができます

厳かな雰囲気が漂う仏殿(薬師堂)

薬師堂
薬師堂  
仏殿の中心には本尊である薬師如来坐像が安置され、左右には日光菩薩像と月光菩薩像が立っています。さらに、その周囲には十二神将像がずらりと並び、薬師如来を守護する荘厳な姿が訪問者を圧倒します。この迫力ある空間は、歴史の重みを感じさせるとともに、訪れる人々に深い感動を与えてくれます。

本堂の左脇に進むと「やぐら」が現れます

やぐら
やぐらやぐらは、大きな岩をくり抜いて作られたもので、鎌倉の歴史を象徴する独特の墓所です。この海蔵寺のやぐらは3塔あり、その壮大さは訪れた人々を圧倒します。中に入ってお参りすることもできるため、ぜひその静寂な空間を感じてみてください。

見事な「心字池の庭園」

心字池の庭園
やぐらの奥に進むと、本堂の裏手にある美しい「心字池の庭園」を望むことができます。公開はされておらず、立ち入ることはできませんが、遠目からでもその整然と手入れされた美しさを感じ取ることができます。特に春や秋の季節には、周囲の花々や紅葉が庭園を彩り、自然と歴史が織りなす絶景を楽しむことができます。

「十六の井戸」の拝観は100円です

十六の井の拝観料
海蔵寺自体の拝観は無料ですが、歴史的価値の高い「十六の井戸」の見学には拝観料が100円かかります。この井戸は鎌倉時代の遺産であり、訪問者にとって貴重な体験となることでしょう。拝観料は、寺の中央にある赤い傘の下に納めるシステムになっています。仏殿の手前にある細い小径を進むと、十六の井戸へとたどり着きます。

十六の井の入り口十六の井戸は仏殿の手前の細い小径を入った先にあります。

くるみるく「十六の井戸」に向かう途中には、地元の隠れ家的パン工房「くるみるく」があります
この小さなパン工房では、天然酵母を使ったパンが評判で、地元の人々や観光客にも人気です。特に、焼きたてのパンと一緒にいただくプリンやコーヒーが絶品とのことで、休憩にぴったりです。営業日は土曜日の11:30~なので、訪れる際はぜひ立ち寄ってみてください。鎌倉散策の途中で少し立ち寄ると、心も体も癒されるひとときが過ごせます

十六の井戸までもう少しです!

十六の井への道海蔵寺自体はそれほど大きなお寺ではありませんが、「十六の井戸」までは50メートルほどの距離を歩きます。途中で見える写真のような岩のトンネルを通り抜けると、さらに趣深い雰囲気が漂います。このトンネルを抜けると、まもなく井戸に到着します。自然と歴史が交錯するこの道中も、海蔵寺ならではの魅力の一部です。

ついに「十六の井戸」に到着!

十六の井「十六の井戸」は、大きな岩の中にひっそりと存在しています。入り口は写真の中央に見える部分で、その中に16個の井戸が整然と並んでいます。この景色は非常に神秘的で、歴史の重みを感じさせます。自然の中に溶け込む井戸の姿は、まるで時が止まったかのような静寂を感じさせるスポットです。海蔵寺を訪れた際は、この神秘的な場所をぜひお見逃しなく。

十六の井
「十六の井戸」は直径約70センチ、深さ約50センチの井戸が16個並んでおり、それぞれから水が湧き出しているとされています。この独特な井戸の配置は非常に珍しく、鎌倉の歴史的な見どころの一つです。また、洞窟の正面には観音菩薩像と弘法大師像が安置されており、訪れる人々に敬虔な気持ちを呼び起こします。歴史を感じさせるこの場所は、鎌倉の静かな一角でありながらも、多くの魅力を秘めています

山門近くの紅葉した「もみじ」

紅葉山門のすぐそばには、秋になると真っ赤に染まるモミジの木があり、訪れる人々の目を楽しませてくれます。特に紅葉のシーズンには、この場所でも前撮りの撮影が行われており、鮮やかな紅葉が美しい背景を提供しています。写真映えするこのスポットは、海蔵寺を訪れる際の見逃せないポイントの一つです。秋の鎌倉を散策する際には、ぜひこの紅葉も堪能してください。

鎌倉十井の一つ「底脱(そこぬけ)の井」

底脱(そこぬけ)の井
海蔵寺の境内入口の右手には、「底脱(そこぬけ)ノ井」と呼ばれる井戸があり、これは鎌倉十井の一つに数えられています。名前の由来は、室町時代にここで水を汲もうとした武将の娘が、水桶の底が抜けた際に詠んだ歌から来ていると伝えられています。この歴史的な井戸は、鎌倉の風景に溶け込み、訪れる人々に古の時代の物語を思い起こさせます。

海蔵寺から少し歩くと「岩船地蔵堂」へ

岩船地蔵堂海蔵寺から鶴岡八幡宮方面に約5分ほど歩くと、「岩船地蔵堂」という歴史的な建物にたどり着きます。この地蔵堂は、源頼朝の娘である大姫(おおひめ)を供養するために建立されたもので、海蔵寺が管理しています。鎌倉散策の途中に立ち寄ることができる静かなスポットで、歴史に思いを馳せながら、ゆっくりとした時間を過ごせます

まとめ

海蔵寺は、鎌倉の歴史と自然を同時に楽しむことができる隠れた名所です。四季折々の花々や、歴史的な「十六の井戸」や「底脱の井」などの見どころを通して、訪れる人々に深い感動を与えます。特に、静かな環境の中でゆっくりとお寺を巡ることができるため、日常の喧騒を忘れてリフレッシュしたい方にもぴったりのスポットです。
さらに、海蔵寺の近くにはパン工房「くるみるく」や「岩船地蔵堂」などの小さな見どころも点在しており、鎌倉散策の途中で立ち寄るのもおすすめです。徒歩でのアクセスが可能なため、鎌倉の他の名所と一緒に訪れることで、より充実した観光プランを楽しめるでしょう。
海蔵寺は、歴史と自然の美しさを堪能できるスポットとして、鎌倉を訪れる際にぜひ加えたい場所です。観光だけでなく、心静かにお参りをしたり、歴史的な遺産に触れたりと、さまざまな魅力が詰まった海蔵寺で、特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

海蔵寺の基本情報

■住所
鎌倉市扇ガ谷4-18−8
■時間
9:30~16:00
■料金
無料。ただし、十六の井戸のみ拝観100円
■電話
0467-22-3175
■駐車場
無料駐車場あり
■アクセス
鎌倉駅から徒歩で約20分

海蔵寺へのアクセス

「鎌倉駅」から横須賀線の線路の西側の脇路を20分ほど歩いたところにあります。
直線距離では「北鎌倉駅」の方が近いですが、遠回りをすることになり、北鎌倉駅から歩くと25分ほどかかります。
近くには源氏山公園があり、源氏山公園からは歩いて5分ちょっとの場所にあります。
■徒歩(鎌倉駅から)
鎌倉駅から徒歩約20分

海蔵寺の駐車場

駐車場海蔵寺の入り口の手前左側には無料で利用できる駐車場があります。

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